多発性嚢胞腎とは
4.(1) 腎臓以外の合併症
次は腎臓以外の合併症について解説する。
多発性嚢胞腎は全身の病気なので腎臓以外にも合併症が起こる。
体内の細胞を支えるものとして結合組織があるが、この結合組織が弱くなって、
すぐにくびれるような、あるいは膨れるような変化が起こりやすくなる。
腎臓に嚢胞ができるときに尿細管の周りの組織が緩んで嚢胞となるが、
同じことがほかの臓器にも起こる。
その結果、患者の5〜10%に脳の動脈の壁の一部が膨れて脳動脈瘤が出来たり、
くも膜下出血が起こることも少なくない。
僧帽弁という心臓の弁が少し緩くなることも多い。
大腸の壁も少し膨れることがあり、それを憩室といい、これもかなりの率でできる。
また、肝臓でできた胆汁を十二指腸に送る総胆管があるが、これが膨れる人も4割ほどいる。
ADPKD成人例における腎外合併症
(消化器系)
・肝嚢胞 50才までに80% Everson GT
・膵嚢胞 10% Gabow PA
・大腸憩室 末期腎不全の80% Gabow PA
・総胆管拡張 40% Ishikawa I