「暮らしのヒント」は、2016年度から2018年度の3年間にわたって、科学研究費補助金基盤研究(C)の助成を受けて行った研究「遺伝性疾患をめぐる病い経験の実態と新たな課題への対応方法に関する検討」(課題番号:16K12034)の成果の一部です。
トルバプタンの使用の開始や指定難病となるなど、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)をめぐる状況は大きく変わりつつあります。これらは、患者さん方の生活や病気の理解にも様々な影響を及ぼしていると思われます。そこで、看護学(遺伝看護の専門家を含む)、社会学、医師(遺伝子疾患の治療の専門家)、遺伝カウンセラーと患者会とが共同して、患者さん方の生活とそこでの悩みや工夫、病気を伝えることに関する実態を調べ、広く患者さん方や関係者に紹介することを計画しました。
2016年度には、生活の実態と把握するためのアンケート調査を行いました。患者会や講演会への参加された皆様約280名にご協力いただきました。
2017年度~2018年度には、継続してご協力いただける患者さん方に、電話インタビュー(42名)と対面インタビュー(12名)を実施いたしました。
その成果をまとめたものが、「アンケート調査結果」「暮らしのヒント」「暮らしのヒント(トルバプタン内服者)」「病気を話すこと」「患者の語り」となります。ご協力を頂きました皆様に感謝いたします。これらの成果は、まとまり次第、報告させていただきます。
患者さんお一人おひとりの状態が違っているため、全ての方にピッタリ合うヒントではないことを予めお断りいたします。経験を分かち合う機会と考えてお読みいただけましたら幸いです。
研究班
代表 西村ユミ(東京都立大学)
前田泰樹(立教大学)
西垣昌和(国際医療福祉大学)
溝口満子(一宮研伸大学)
程内栄子・松本千香子(PKDFCJ)
山地幸雄(元PKDの会)
武藤智(順天堂大学)
望月俊雄(東京女子医科大学)
1.多発性嚢胞腎患者さんのための
「暮らしのヒント」作成のための基礎調査(アンケート編) ご報告
実施期間:平成28年10月~12月
対象者:ADPKD患者
調査の方法:Webアンケート(患者会サイトからリンク)および自記式質問紙(患者会会報とともに送付,患者会主催講演会で配布)
URL:http://www.pkdfcj.org/?page_id=837
内容
●調査の概要
●結果
・病気について
・生活の質について
「全般的な生活の質」、「腎疾患に関連する生活の質」
・現在の治療への全体的な満足度
・病気に関する情報の共有について
パートナー/子ども/職場の人/友人に病気のことについて伝えた経験
子ども親が多発性嚢胞腎であると伝えることの「良いこと」「悪いこと」
職場の人/友人に多発性嚢胞腎であると伝えることの「良いこと」「悪いこと」
・サポートの認知度について
・まとめ