暮らし方の知恵
1)食事に気をつける
PKDの患者さんの多くは、塩分を制限した食事をとっています。食生活の中で、“最も”留意していることと言え、<食事準備(調理法、外食等)の工夫>や<家族と食事を共にするときの工夫>でも減塩の方法が紹介されております。そのほかにも、食事に関してはいろいろな工夫を行っているようです。
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- 食事に関しては、病気の進行などによって、制限が異なっています。食事療法全般に関する情報、高血圧患者の食事療法、慢性腎疾患患者の食事療法などは、病院や学会などのホームページでも紹介されています。参考にしてください。
・国立循環器病センター研究センター病院 「食事療法全般」
http://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/diet/diet02.html#-2-4
・日本腎臓学会 「表 1 CKD ステージによる食事療法基準」
https://cdn.jsn.or.jp/guideline/pdf/CKD-Dietaryrecommendations2014.pdf
・JSH減塩食品リスト(日本高血圧学会)
https://www.jpnsh.jp/data/salt_foodlist.pdf
(日本高血圧学会からのコメント:減塩食品の多くは一部をカリウムで代替していますので、腎障害があり、カリウム制限を指示されている患者さんでは注意が必要となります。)
<塩分制限に関する工夫>
- 「血圧調整のために、無理なく塩分の強いものは食べない食生活をしています。外食しても、お漬物とかおみそ汁とかは残しますね。家でも、お漬物を作ったり、買ったりはしないですし、みそ汁も、家族のために作るんですけど、自分は具だけ食べているような感じですね。」(未・女性・50代)
- 「できるだけ塩は摂らないように、減塩のもので。例えば食べる分を塩分の少ないものを食べるとか、あまりしつこい油っこいものはだめですとかね。」(血圧・男性・70代)
- 「あとは、塩分は気をつけていて、減塩の醤油とかリンとかカリウムの低いポン酢とかを使ったりとか、お酢だけでつけて食べたりとかってことはしてます。茹でこぼしとか、お水にさらしたりとかっていうことは極力するようにしてます。会食とかするようなときは普通に食べてますけど、その前後のところでちょっとご飯を減らしたりとか、塩分なんかもほんとに少なくしたりとか、調整するようにしてます。」(血圧・女性・50代)
- 「主治医からの指導で、塩分は6グラム以内、タンパク質50グラム、で、カリウムは1,500ミリグラム以内。塩分は、妻が薄味にして、みそはやめました。漬物は食べません。極力薄味で。(栄養士にも健康指導をうける)」(トルバプタン・男性・40代)
- 「自分が生活してる中で何か我慢しないといけないというのもないので、まあ普通に、塩分は注意しながら、普通にやれてるのがありがたい。」(トルバプタン・女性・40代)
- 「塩分控え、だしで味を出している。」(トルバプタン・男性・40代)
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- 腎疾患のある方の塩分制限は、血圧の高さにかかわらず、1日3~6g未満を目指すようにしましょう。ただし、状況によって、塩分制限の仕方も調整が必要になります。心配な場合や気になることがある場合は、検査データなどの情報をもって、主治医や栄養士に相談することをお勧めします。
<タンパク制限に関する工夫>
- 「食事療法はなかなか守れないし、タンパク制限しすぎて痩せすぎてちょっとこれまずいなと思ったので、タンパクはある程度摂るようにはしていて。低タンパク米にもしたりしたんですけど、普通のご飯を今は食べていて。」(血圧・女性・50代)
- 「私のeGFRは40台後半で、「たんぱく質制限は、まだ不要」と主治医は言いますが、多発性嚢胞腎とわかってから、食べ過ぎないように意識するようになりました。とくに肉類には飽和脂肪酸が多いので動脈硬化を進めることがあり血圧にも影響する…と栄養指導を受けたので、なるべく脂身は避け、赤身を適量食べています。3食のうち1食は、メインディッシュを食べないようにして、2食は普通の分量にするというたんぱく質控えめ程度にしています。」(血圧・女性・50代)
- 「タンパクはアバウトで、通常ですと低タンパク食を取り寄せ、タンパク質入ってない米を食べてます。」(トルバプタン・男性・40代)
- 「先生はあまり変わらないよと言うけれど、タンパク質調整食品などを使って自分なりに工夫をしている。それで少し良くなった気がしている。」(透析・女性・50代)
- 「食事は、たんぱく制限、家族とはちょっと違うメニューにしたりしている。最初は宅配のタンパク減塩タイプのおかずだけ、冷蔵で配達してくれるものを購入。冷蔵だといつでも解凍して食べられる。→だいたいどのぐらい食べていいのか、量とか味付けとかが、勉強になる。7食分とってみて、それを自分で食べて味見して。これぐらいでいいのかとか、量も、こんな感じとか、やっぱり油が多いんだなとかっていうふうに。一度そういうものを自分で取ってみて、自分の食生活に活かす。ただ制限しろと言われても、何をどうしたらいいかわからないので。ご飯もどのぐらいの量とか、…このぐらいの副菜の量なんだなって。たいだい一食分のカロリーとかバランスっていうのが分かった。」(透析・女性・40代)
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- たんぱく質、カリウムやリンなどの制限は、お一人おひとりの病気の状態や検査結果などによって異なっております。
たんぱく質が、多発性嚢胞腎の腎機能の低下を防いだり遅らせたりという確かな報告はありません。
一方で、腎機能の低下が進行し透析療法の必要性が近くなった方で、血液中の尿素窒素(BUN)やカリウム(K)値が高くなることがあります。
いずれの場合もご心配な時は、医師・管理栄養士にご相談ください。
<カリウムに関する工夫>
- 「まだカリウムの制限はないので、野菜をたっぷり食べています。カリウムは、体内の塩分を早く出してくれる働きがあると管理栄養士さんに聞きました。自分の体調をよく知って食事を楽しんでいるので大きなストレスは感じません。」(血圧・女性・50代)
- 「ジレンマは、鉄分を補給するために魚や肉などを食べるとカリウム(摂取量)が増えてしまうから、後でカリウムを除去しないといけないのが面倒。医師の診断でカリウム量が多いということで、妻が栄養士に聞いて、野菜を煮こぼしてから食べている。野菜を多くとったときはゼリー(カリウム治療薬)を食べて、カリウムを排出するようにしている。」(トルバプタン・男性・50代)
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- カリウム値は腎機能の低下とともに摂取量の目標値が出されます。
栄養士の資格をもつ患者会メンバーが、代表的なカリウム含有量を調べました。より詳しい情報が必要な方は、文部科学省のHP「日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2018年」も参考にしてください。
http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1411578.htm
表 代表的な食品のカリウム含有量:
<食事準備(調理法、外食等)の工夫>
- 「私みたいに石のたまる体質の方は、できるだけカルシウムの量を制限するような食べ物を食べた方がいいですよ、というような知識は持っておかれた方がいいかなと思うんですよ。家庭で料理が作れるとか作ってもらえる状態やったら、そういう話をしといた方がいい。作ってもらう人にはね。お弁当屋さんも、こういう症状があるからこんなもんにしてって言ったら、今対応してくれてますからね。」(血圧・男性・70代)
- 「一人住まいで自分で調理をしますので、食品成分表の一覧全部書き出して、これは危ない、これは大丈夫っていうのを書き出して、なるべく守ってます。減塩し、カリウムを極力減らす。」(血圧・女性・60代)
- 「ちゃんと食事をとるということ。減塩だけ、カリウムはまだやっていない。減塩は、前はみそだのしょう油だの安売りだといっぱい買ってきていたんですけど、そうすると気が大きくなるものですから。今は定価で一つずつ買って大事に使うようにしているといいみたいです。」(血圧・女性・70代)
- 「蛸とかマイタケとか一緒に煮ると色がつくんです、野菜に。それだと味もついているように見え、中身がごまかせるので。(醤油などの調味料を控え、塩分を制限する工夫)」(血圧・女性・70代)
- 「外食(の予定)とか入ったら、たまにはラーメンを食べたりカレーを食べたりってしたいときがあるので、そういうときは我慢をせずに、そういうものは外食して。遊びに行ったり飲みに行ったりとか結構あるので、そういうときはあまり気にせずにしている。その代わり普段はなるべく守るようにしている。」(トルバプタン・男性・50代)
<家族と食事を共にするときの工夫>
- 「自分のこといちいちオープンにできないので、口に合わないのでって言うか、もうちょっと用事があるから賄いは私の分はいらない、あらかじめ注文しなくていいので先帰らしてもらいます言うて、お食事の前に帰らしてもらうとか。お通夜にしろお葬式にしろ、何しろどこに行っても仕出し料理とか、悩まされますね。その延長じゃないんですけど、私、義母と食事を別にしています(=食事制限があるので、他の人とは食事を別にするようにしています)。主人は、仕事で遅いんやから、いいやんそれで、別々で。お義母さんはお義母さんでお義母さんの好きなもの買うてきてもいいから食べたらええんやし。私が例えばね、嫁がね、気回して作ったとしても自分がそのとき食べたくないものだってあるやろ?
って主人は言うてます。」(血圧・女性・50代) - 「好き嫌いなく食べる。夏でも熱いお茶を飲む。家族は濃い味が好きだが、自分のために薄味で調理をしてもらい、家族には醤油などを加えて味をつけるよう協力してもらっている。」(移植・男性・60代)
<嗜好品>
- 「病気だと分かってからは、カフェインのとりすぎはよくないので、日本茶は飲んでいるが、コーヒーは全部カフェインレスに替えた。」(未・女性・50代)
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- PKDに関する臨床研究では、カフェインを「とっている人」と「とっていない人」とを比較した結果、進行に違いはないという報告があります(『診療ガイド』参照)。しかし一般的には、何であっても摂り過ぎは良くないので、カフェインについても同様に考えて、コーヒーやお茶を楽しんでください。
コーヒーは他のお茶と比べてカフェイン含有量が多い(100mlあたり60mg)ですが、煎茶、ほうじ茶、ウーロン茶も100mlあたり20mg、紅茶は30mgカフェインが含まれます。煎茶3杯飲めばコーヒー1杯と同じカフェイン量です。
2)運動の仕方を変える
病気が進んでのう胞が大きくなってくると、のう胞の圧迫によって痛みを感じたり、外部からの衝撃によってのう胞自体が障害を受けたりします。そのため衝突するような運動やハードな運動ではなく、体の状態にあった運動・エクササイズを選んでいます。その運動は、体力や筋力を保つことにもなっているようです。体力や筋力は、PKDであることと直接関係しませんが、病気をもちながら日常生活を続けるために、運動習慣を持つことを心がけられている方がおられます。
- 「主治医に無理な運動はするなと言われているので、ハードな登山はやめて、トレッキングに近い感じにしています。」(トルバプタン・男性・50代)
- 「普通の運動はした方がいいと聞いていて。すごく体を使う仕事なので、仕事に行くのがイコールエクササイズになっています。長時間働き過ぎるとへとへとになってしまうので、今は週に3回までで、それも半日ずつにしています。」(未・女性・50代)
- 「筋力をつけて早くたくさん歩けるようになることと家事ができるようになることなど、そういうのを目指しています。」(トルバプタン・女性・60代)
・「一番工夫をしているのは、なるべく歩くようにすることです。筋力が落ちるとなかなか体力がもたない。」(透析・男性50代) - 「レベルは下がっても、体を動かすようなことをずっと続けている。」(透析・男性・60代)
- 「クリニックに通うのに、1日おきに片道20分歩く。1日おきだからいい運動というか、ちょうどよいなと思う。」(透析・女性60代)
- 「運動は朝ちょっと1駅手前で降りて、歩く。帰りも早ければそうする。」(透析・男性・50代)
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- 運動不足による肥満やメタボリック症候群は、腎機能にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、運動習慣を持つことは、肥満などの予防になり、長期的には腎臓を守ることに繋がると考えられます。心疾患などをもっている方は、主治医と相談をして、適切な強度の運動を行ってください。
3)疲れないようにする
毎日の過ごし方にも、工夫が溢れています。疲れないことや体を大事にすることを、日々の工夫を通して行っています。疲れ易いために工夫をしている方と、毎日の生活を疲れないように工夫をしている方など、その背景は様々です。
- 「工夫というか、やっぱり腎臓がすごく悪いので、すごく疲れやすいので。その辺をやっぱりちょっと気にかけて、朝とか夕方くらいまで頑張りすぎるともう晩がダウンしてしまうので。だからその辺を自分で一応考えながらはしてますね。もう頑張りがきかないんですよね。腎臓がこれだけ悪くなってると。」(未・女性・60代)
- 「疲れないように工夫している。要するに具体的に何もできない。」(血圧・女性・)
- 「できるだけ疲れんようにはしてます。無理……ちょっとしんどいなと思ったら、『今日は仕事しない』と言ってやってます。」(血圧・男性・70代)
- 「近くは自分で行動できる。車も乗りますので。ただ遠く行くときは、なかなか1人では行かないようにはしてます。」(移植・男性・50代)
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- 疲れの原因は、のう胞にあるのではなく、腎機能低下に伴う「腎性貧血」によるものと思われます。受診の際に、疲れやすいことなどもお話しください。
4)圧迫をさける
のう胞は、圧迫感を覚えたり、外部からの圧迫によって痛みを伴ったりすることがあります。そのため、生活のなかで、圧迫をさけることに留意する語りが多く見られました。
注)のう胞の大きさや圧迫感には、個人差があります。
- 「右側の方に傾けて寝るとやっぱり苦しいので、仰向きか左向きで寝ています。」(未・女性・60代)
- 「お腹に衝撃を与えないように。ぶつかったりぶつけられたりしないように、注意しています。自分がこういう病気を持っていますと証明できるものを何か持ってないといけないと思っています。」(血圧・男性・70代)
- 「肝のう胞があり、ご飯を食べた後とか、胃が膨れるとお腹が痛くなってしまうので、すぐ横になるような環境をつくっている。」(トルバプタン・女性・50代)
- 「人にお腹を触られたり、背後からお腹の後ろとか脇腹とかちょこっと触れるのとかは絶対ダメです。痛くて痛くて。満員電車は絶対に乗れない。やっぱり歩くときは、必然的に、どっちか片方の手で胃のあたりをガードしているっていう形ですね。押されたら嫌なので。」(トルバプタン・女性・40代)
- 「腎・肝のう胞が大きく、見た目も悪いし圧迫感があります。日常生活では、しゃがんで物を取ったりすると、圧迫されるのでちょっときついです。だから床を拭いたりとか、しゃがんで何か物をとったりというのは、本当に、年々圧迫がひどくなっているので苦しいですね。」(透析・女性40代)
- 「ヒールとかはもう履いてないですね。こけやすくなったりするとかっていうのはあるかもしれない。」(透析・女性・40代)
5)体に合わせた服装を選ぶ
のう胞が大きくなると、中にはお腹周りに膨らみが出てくる人がいます。そのため、体形に合った服装を選び、生活にゆとりを持たせています。
- 「一番困るのが服なんです。職場にユニフォームがなくて。患者さんの中にデザイナーさんとかがいらっしゃったら私に会う服を作ってほしい。」(血圧・女性・50代)
- 「脚も最近むくんでいるので、アツギの靴下を選んでいます。」(トルバプタン・女性・50代)
- 「肝臓ののう胞が大きくて困っているんで、服はゆったりしたものを選ぶようにしています。」(トルバプタン・女性・40代)
- 「上下のサイズがだいぶ違って困っています。会社の制服やスーツは、上下セットのものが買えない。」(トルバプタン・女性・40代)
- 「体を冷やさないためにスカートははかない、夏でも半そでは着ない。ゆったりした服を着て、ちょっと隠したいっていうのはあります。」(トルバプタン・女性・40代)
- 「のう胞が大きくなってきてから、お腹だけが出てきています。元々自分は痩せている体型なので、余計にお腹だけが目立つから、着る服とかは、一時期マタニティ売り場で買ったりしていました。」(透析・女性・40代)
6)災害時の経験をふまえて備える
災害時には、<薬の内服や飲水に関すること><食事に関すること>を考えさせられたようです。災害に対してどのように備えるのかを教えてくれます。
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- 地震や豪雨などの自然災害時には、食事や薬、治療が難しくなることがあります。災害時には、平時には想像できないようなことも起こり得ます。平常時より、主治医とよく相談をして、どのように調整するのかを決めておくことをお奨めします。
<災害時対応に関するwedページ>
・被災地での健康を守るために(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/hoken-sidou/disaster.html
・災害時腎臓病について(全国腎臓病協議会)
http://www.zjk.or.jp/kidney-disease/disaster/index.html
・災害時の栄養情報ツール
http://www.nibiohn.go.jp/eiken/disasternutrition/info_saigai.html
・難病情報センター災害時難病患者支援ホームページリンク集
http://www.nanbyou.or.jp/entry/1602
<薬の内服と飲水に関すること>
- 「サムスカ服用中なので翌日にちゃんとお水が手に入るかを確認して、水道ももう1回確認してから朝の薬を飲もうかなぐらいの緩い感じで考えてました。」(トルバプタン・女性・40代)
- 「余震も結構来てたんですよ、あの後。だから、ぐらぐら、どんって来て、その後もぐらぐらぐらぐらしてて、これは夜寝れんけん血圧上がるだろうな、じゃあ、血圧の薬はもう今まで通り飲んどこう。で、サムスカどうしようかなって、1回ぐらい抜いて明日、まあ、暗かったから状況を見てからでもいいんじゃないと思って。」(トルバプタン・女性・40代)
- 「先生方も、どの科の先生もあのときは科も関係なく大変だったと思うんですけど、「サムスカ(一般名:トルバプタン)を飲んでたよねって、止めてると思うけど止めてるよね」みたいな確認を……あの忙しい中にこっちまで連絡とかをくれた循環器内科医がいたんですよね。」(トルバプタン・女性・40代)
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- トルバプタンは長期的な服用により効果が出てくる薬です。災害時には、水分摂取ができるか、トイレに行けるかどうかが分からないので、「飲んではいけない」薬と考えてください。
PKDの患者さんにとって「飲まなければならない」のは、血圧の薬です。患者さんによっては、抗血小板薬(脳梗塞予防など)、抗血栓薬(ワーファリン、イグザレルトなど)も大切です。尿酸、コレステロールの薬は飲んだ方が良いですが、状況によって、間引いても大丈夫です。
<食事に関すること>
- 「避難所って学校とかが多いから平等ありきでいくんですよ。だから、透析患者だろうが糖尿病患者だろうが何の患者だろうが、わがまま言わないでね、今は非常事態だからっていうのが基本で動いちゃうから、カリウムの多いバナナの配給とかがいくんですよ、怖いなって。」(トルバプタン・女性・40代)
- 「この人は透析患者だから絶対バナナとかを与えないでとかいう仕分けもできてない状態なんですね。ただあったのが、離乳食とかが結構。子供というか赤ちゃんが来てたから離乳食とミルクがないんだっていうことを発信してたら、ミルクと離乳食がいっぱい来るようになっちゃったりしたもんだから、もう逆に塩分の少ない離乳食をみんなで食べようとか。」(トルバプタン・女性・40代)
- 「(透析への対応)一応病院から災害手帳っていうのはもらってて。まあ簡単にレクチャー受けてますけど。僕の行ってるクリニックは同じ系列のやつが結構複数あるみたいで。県内にもあちこちあるみたいで。どっか機能してるところが残ってくれればいいけど。」(透析・男性・50代)
- 「ヘルシーネットかなんかの食べ物は、多少はね、ストックはしてるんです。まあそんなにいっぱいじゃないですけどね。ご飯のレトルトだとか。」(透析・男性・50代)
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- カリウム制限のある方は、摂取量はいのちにかかわることなので、透析患者さんも含めて、ご自身、あるいはご家族で「バナナは食べない」と声をかけあったり、カリウムが多い食品の資料を「非難するときに持っていくもの」の中に入れておくことをお奨めします。
7)保険・医療費補助・年金に備える
保険や医療費補助、年金などは、保険に入る時期や診断書が出せる病院、障害者手帳による支援とともに語られています。
- 「母は早くから気にしていて、早くから(20歳学生の頃)生命保険に加入していた。(トルバプタン・女性・40代)
- 「医療関係のこともそうですけど、4級をもらったらこういうメリットがあるよって」「(障害者手帳の)4級がもらえればやっぱりどこかで、車の税金が減免されたりとかいろいろ緩和されることが多いんで」「だから(病院の先生に)言ったんです、そういう交通費とか車の税金とかって」(トルバプタン・女性・50代)
- 「特定疾病の定期的な診断書や何かは、指定医制度に変わったので、今は専門病院でしか出さないので、透析クリニックではそういうのが一切出ません。」(透析・男性・50代)
- 「医療費補助がなかったらこの薬は飲めなかった。」(移植・女性・60代)
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- PKDの医療費助成には、(1)「難病の患者に対する医療等に関する法律」(以下、難病法)によるものと、(2)障害者手帳取得による助成との2つがあります。
(1)難病法
平成26年度に改正され、多発性嚢胞腎患者は医療費の助成がうけられるようになりました。助成を受けるには、腎臓の機能や、病気の進行の速さが一定の条件を満たしていることが必要になります。詳しくは難病支援・相談センターに相談するとよいでしょう。
これらの制度について、わかりにくいと思われた場合は、「難病支援・相談センター」に相談をしてみてください。本センターは、すべての都道府県に設置されています。(2)障害者手帳取得による助成
透析導入によって障害者手帳を取得することで医療費助成を受けられる場合があります。詳しくは、主治医、および自治体の窓口に問い合わせて下さい。保険・医療補助・年金は、お一人おひとりの年齢や仕事の有無等の条件、および自治体によって異なります。病気を診断された時、腎機能の値が身体障害認定基準となった時、治療法が変わった時、特に透析導入時などを機に、ソーシャルワーカーや自治体の窓口でどのような手続きが必要であるかを、しっかり相談されることをお奨めします。
<保険、医療費補助、年金に関するwebページ>
・難病情報センター:多発性嚢胞腎(指定難病67)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/295・難病支援センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/1361・厚生労働省(「身体障害者障害程度等級表の解説(身体障害認定基準)について」 の一部改正について)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000195942.pdf・年金に関する情報
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html・全腎協ホームページ
http://www.zjk.or.jp/
(注)保険・医療費補助・年金について詳しい記載のあるサイトです。慢性腎不全の患者さん向けですので、PKDとは違う内容もあります。